TSハイチェア発売(3月中旬から!)

TSハイチェア発売(3月中旬から!)

みなさん、こんにちは。&FRELの杉浦です。

3月より、新製品のTSハイチェアの発売を開始します。(オーダーはすでに&FRELウェブサイトから可能です)。本革を座面に用いた&FREL初の製品仕様で、いままでの&FREL製品とは少し雰囲気の異なった存在感を楽しむことができるかと思います。

発売を前にして、TSハイチェアのデザイン・設計からその仕様・特徴までを2回にわたってご紹介させていただきたいと思います。

今回はデザインから実際の設計に至る過程について、次回はTSハイチェアの製品特性や仕様についてをお話しさせていただきます。

ラフデザイン

デザインの出発点として、使用する材料や座面の形状、用途がある程度まとまっていましたので、素材からデザインを組み上げていく手法で検討していました。初期のスケッチでも、おおよそ最終製品のイメージと変わりありませんね。

モデルづくり

何となくスケッチで形状やイメージを掴んだら、今度は立体にしてみます。私の場合はこの段階では正確な形状でなくてもいいので、とにかく手元にあるモノで立体化します。

下記のように、小学生の工作レベル以下の?モデルをつくります。手で触れて、いろんな角度から見ることで、立体認識がはっきりしてきます。TSハイチェアはオーバル形状(楕円)の特徴あるパイプを使用した脚になっていますので、ここで立体を見ながら実際の形状を頭でイメージします。もちろんさらに精度の高いモデルをつくったり、3Dプリンターで形状をそのままプリントする方法もあります。

ただ&FRELは工場と直結していますので、現物をつくって検証するプロセスを優先することも多々あります。モデル検討を重ねる時間を多くとるよりも、一旦現物でつくってみるというプロセスの方がより実際のサイズ感やディテール、製造上の問題点がまとめて把握できます。&FRELのデザイン・設計とモノづくりの特徴でもあります。

CAD設計とレンダリング

 これら作業が終わると、実際に製品として成立していく方法でCADデータをつくっていきます。ここでは部材を加工したり溶接したりするうえで無理がないか?、強度が足りないことがないかどうか?といったことを部品ごとの正確な位置関係を見ながら決めていきます。

一方でそのデータを利用してレンダリングという作業を行い、実物に近いイメージで出力したりもします。データであれば、複数の製品を並べたり、他の製品と並べたときの雰囲気、部材の色検討を実物なしに表現できるので、この作業も重要なスタディーのひとつです。下記はTSハイチェアのレンダリングイメージです。

レンダリングを行い実物のイメージを表現することはもちろんいいことなのですが、自由に、そして理想的に調整できる分、過度に製品を引き立たせてしまうこともあります。この作業と合わせて、スケッチやモデルづくりを行っておくとそのブレが少なくなることもあって、私はレンダリングや図面だけでデザインすることはありません。これは年齢や国を問わず、多くの家具デザイナーに共通する手法だと思います。

簡単な説明でしたが、TSハイチェアのデザインができるまでのプロセスを少し感じてもらえたでしょうか?

次回は製品の仕様や素材について、引き続きお話ししていきたいと思います。