リアルにモノを見て、触れることの再確認
こんにちは。&Frelの杉浦です。5月になり、気候も少しづつ夏に近づいてきましたね。
私は4月末に久しぶりに日本に一時帰国し、東京で行われたOrgatec Tokyo 2022というオフィス空間、家具の展示会を東京ビックサイトで見学してきました。
オルガテックとは?
Orgatec(オルガテック)は、いわゆるオフィス家具メーカーと呼ばれる企業やブランドが一堂に会して、家具や空間提案、オフィスソリューションを発表する場で、世界でも最も影響力のあるオフィス系展示会の一つです。本家は二年に一度、ドイツのケルンという都市の展示会場を丸ごと使って行われるオフィス家具の大イベントです。
ドイツで開かれるオルガテックでは、ヨーロッパ系メーカーを中心に趣向を凝らしたブースや新作家具を一つの会場で見ることができるだけでなく、デザインや色など、その先数年のオフィストレンドを感じられる場としての要素もあり、世界中から多くの関係者がここに集まります。
余談ですが、ヨーロッパの展示会ではブースでワインや美味しいおつまみを振舞ってくれるメーカーも多く、訪れる楽しみの一つでもあります。
今回開かれたオルガテック東京は本家ドイツ・オルガテックの東京版(今回が1回目!)となり、開催規模や参加メーカーの数では本家には及ばないものの、久しぶりに日系を中心とした各オフィスメーカーが集う展示会となったことから、会場入り口は初日から長蛇の列でした。また出展側各メーカーもとても力の入った展示となっていました。
私自身も、このような家具の展示会を見学するのはコロナの影響で2019年以来ということで、とても新鮮な気持ちで会場を巡らせていただきました。
モノからコト、場、働き方へ
コロナがオフィス環境や働き方に与えた影響は、私がオフィス家具業界で働き始めてからの20年で最も大きな変化をもたらした出来事だと言える思います。またオフィスデザインの歴史という観点から見ても、おそらく1、2を争う大きな出来事として捉えることができるはずです。その様な変化をこの展示会でもしっかりと感じることができました。
チェアやテーブルなど製品そのものをフォーカスした展示は依然と比べ極端に少なくなった印象で、より広い視点でとらえたオフィス空間やそこでの働き方へ提案の軸が移りました。もちろん各オフィスメーカーにおいては、コロナ以前よりそういった観点でのオフィス空間提案やプロダクト開発を行ってきてはいたのですが、コロナによって必然的に高まったユーザー側の意識や価値観の変化によって、少し先の未来としてメーカーが提案していたものが、一気に現実的なオフィスのレイアウトや空間づくりと繋がったと結果なのかなと私は感じました。
コロナという劇薬ではありましたが、それによってオフィスの空間づくりに大きな変化をもたらし、新しいコンセプトによるプロダクトや組み合わせが生まれる土壌の後押しをしたことは間違いありません。否応なく対策をしなくてはならない状況だった時期を抜け、その考察の中から生まれる新しいアイデアやコンセプトがとても早いサイクルで生まれたコロナ後の約3年間は、客観的に見ると非常に面白い時間でした。
そんなことを今回の展示会で実感すると同時に、これから3年後、5年後、いわゆる脱コロナ後にどんな製品やコンセプトを各社が提案してくるのか、新たな期待もあります。
リアルにモノを見ること
今回展示会を訪れてあらためて、そして一番強く感じたことは、リアルにモノを見ること・空間を体験できる喜びでした。コロナ以後、展示会自体が自粛されるケースも増えましたし、海外の展示会にも簡単には行けなくなりました。もちろん各社のwebsiteや家具関連のサイトから情報を得ることはできるのですが、自分の目で見て、触って、体験する行為とは得られる情報量や感じ方が全く異なります。
考えてみれば当たり前の事なのですが、すっかりそのような場から遠ざかっていたこともあり、目の前に多くの製品や空間が並び、触れることのできる喜びを再確認しました。その感覚は私だけではなく、この会場に訪れた多くの来場者が同様に感じたことだと思いますし、空間や家具というリアルな製品を扱っている業種ですから、その思いはとても強いものだったと思います。
やっぱり実物に勝るものはありませんね。リアルにモノを見て、触れることの大切さを再確認しました。
残念ながら&FrelはECサイトでの販売に特化しており、今まで展示会などで実物を見てもらう機会は持てていません。ですが今回久しぶりに展示会を訪れてみて、やっぱりそういう機会と場所は大事だなとあらためて感じました。
実物の製品を多くの方に見てもらいたいのはもちろんですが、今回会場で活き活きと説明されていたスタッフの方々(特に若いスタッフの方)を見て、&Frelのスタッフにもこんな機会があればいいなと強く感じました。
&Frelを立ち上げてすでに一年以上経過し、製品群も少しづつですが充実してきましたので、来年はぜひそんな機会を持てればと密かに思っています。