文字の力
みなさん、こんにちは。&FRELの杉浦です。2024年も6月に入りました。ついこの前2024年になったばかりですが、今年の折り返し地点も近づいてきました。
今日は最近マレーシアで運転をしているとよく見かける、日本語付き看板から考えたことについて書いていきたいと思います。
私の住んでいるマレーシアはアジアの中でもトップクラスの親日国だと思います。すでに10年以上当地に住んでいますが、日本人であることで嫌な思いをしたことは私はほぼありません。もしろ日本人であることで、私自身の等身大+マレーシア人が日本に持つ良いイメージが勝手に?足されたり、増幅されて少し困惑してしまうこともしばしばです。
私の職業でいえば、、、
日本人だから、繊細なデザインをする、品質は特段の注意を払う、デザインに日本的な(これも曖昧な言葉ですが)要素を入れてくれる、期限は必ず厳守する、、、といった感じです。
ありがたいことに、ほぼポジティブなイメージばかりですので、異国で仕事をする上では大きなアドバンテージになります。
例えばこの看板、ほとんどのマレーシア人は日本語を読めないはずですが、おそらく日本語であることはわかるのではないかと思います。そう考えると、この文言自体に大きな意味はなく、日本語が書かれている=先に述べたような日本の持っているポジティブなイメージを日本語から連想してもらうことが狙いなんだと思います。
あらためて考えてみるとすごいことだなと思います。本来文字はその内容を伝えるために存在しているはずですが、ここでは日本語の内容ではなく、日本語の文字イメージを通して日本、日本製に対して多くの人が抱くポジティブなイメージに訴えています。
果たしてどれだけの国・言語がこのような意図を持って使うことができるでしょうか?そう考えると、先人達の努力や日本の培ってきた文化に敬意を感じずにはいられませんし、このイメージがいつまでも崩れぬよう、できることを私もしっかりとやらなくてはと思います。
先日、The Art of Language(文字の芸術性)という本を読みました。漢字や日本語は確かに美しいですが、では他の国の言語と比べて格段に美しい、特徴的か?といえば、全くそんなことはなく、他の言語・文字どれもそれぞれ魅力があります。(私はチベット、タミル文字が好きです)
日本語は文字そのものの美しさに加え、その背景にあるポジティブなイメージによって文字の持つ力がさらに増幅されているのだと思います。
余談ですが、そんな強みがあるが故、思わず笑ってしまう変な日本語も日々目にします。。。