技術と仕組みへの好奇心

技術と仕組みへの好奇心

みなさん、こんにちは。&FRELの杉浦です。今年も残り3か月弱となってまいりました。毎年ですが、、、早いですね。

先日から息子が借りてきたDr.STONEというマンガを読み始めました。人気作品のようなので、すでに読まれている方も多いと思います。あらすじは、ある日突然全人類が何かによって石化してしまう。その後数千年の時を経て、ある科学者の石化が解けて再び生を得る。その科学者は、もともと人類が持っていた科学を彼の知識と回りにあるものを使って少しづつ復活させていくという話です。

作品の面白さのひとつは、今の我々の周りに当たり前にある、けれども人類の歴史から考えると、僅か100年くらいの間に発明されたとんでもない科学を、それが一旦消えてしまった世の中からいかに生み出すか?というところにあるのだと思います。

いまこの時代に生まれ、住んでいると凄すぎる技術を当たり前のように受け止めていますが、考えてみればそれはとっても不思議なことですよね。例えばレコードが発明されたとき、多くの人は音はどこからどのように出ているのか?ということを不思議に感じ、当然のようにその原理や仕組みを知りたがったはずです。テレビも然り、映像がどこからきているのか疑問に思ったはずです。

私の世代で言うと、まさにインターネット前後のような時代を通ってきましたので、ネットがつながる仕組みやその接続経路など、技術的なことはわからないにしろ、やっぱりなんで?という不思議がありました。ちなみに昔のネットは電話回線経由で、繋がるまでにジージーという音が出て、、、今思うと何とも人間味のある世界でした。

でもネットやスマホ、いわゆるデジタルな世界が当たり前にある時代に生まれた世代は、なんでスマホは映像が映るんだろう、どこから来て、どうして繋がるんだろう?なんて考えもしないですよね。新しい技術にいちいちなんで?という疑問を感じていられないし、よほど専門知識を持っていないとそれを理解することは難しいでしょう。

技術を当たり前に使っているけど、その仕組みはよくわからない、理解できないどころか想像すらできない、、、ということがものすごく増えたここ数十年という感じです。

そんなデジタル系の世界に比べれば、家具の世界の変化は微々たるもので、相変わらず素材から部品をつくり、それを組み立てて製品にするという構造はほとんど変わっていません。でも基本は変わらぬ家具の世界の中で、日々世界中でこれだけたくさんのデザインが生まれ、良いデザインは人にずっと愛され、60年程前にデザインされたチェアが、今でも同じデザインで製造され続けています。

そんなところに家具やデザインの面白さがあるのだと私はいつも思っています。