見えない作業

見えない作業

こんにちは。&FRELの杉浦です。

味噌づくりの工程

先日久しぶりに父方の実家があった愛知県岡崎市に行きました。私が住んでいたのは岡崎市の八帖町という地域で、八丁味噌の工場がある地域としてご存じの方も多いかと思います。父方の実家には毎週のように行っていたのですが、歩いてすぐのところにある味噌工場を見学したことはなかったので、今回初めて、昔ながらの製法にこだわって味噌づくりをしている工場の一つ、カクキュー味噌の工場見学をさせてもらいました。

昔ながらの工程でつくられる味噌の生産工程の中で、特に目を引く工程が、味噌づくりの最後の工程となる熟成工程です。約6トンの味噌に対し、川石約3トンを積み上げ、天然醸造で二夏二冬を経てようやく製品となる工程です。見た目も美しいこの熟成工程に欠かせない川石を積む作業は、熟練の職人さんの手によって手作業で行われ、しっかりと隙間なく、また均等に荷重が加えられています。

それぞれの川石は互いに荷重がかかって安定しているので、ちょっとやそっとの地震がきても簡単には崩れないとのことです。味噌樽に美しく川石が積まれた姿は、何百年も続くこの味噌づくりの歴史を最も象徴している風景だと思います。

完成品からは見えない作業と工程

ですが考えてみるとこれだけ手間をかけているこの作業は、単に味噌を購入して食べてきた私のような一消費者には、こんな工程があることも、手作業で石が積まれていることも、二夏二冬を経てようやく製品になっていることも全く知らないまま、パッケージされた味噌という最終製品を手にしています。

もちろんその工程があっての美味しさや、機械に頼った他社との差別化があるわけですが、最終製品がその工程を語ってくれるわけではありません。工場を見学したり、調べたりしなければわからない、完成品からは見えない作業と言えます。

仕事柄、家具や部材を製造している工場を訪れる機会が多くあります。いい製品をつくっているなと感じる工場を訪れると、そこには必ずいい製品をつくる為の独自の機械や治具、地道な準備作業、工夫を凝らした工程が随所に見られます。そしてそれらを考えて、管理・維持・作業する人がいます。味噌の醸造工程ほどではないですが、やはりここにも完成品からは見えない作業がたくさんあります。

もちろん我々&FRELの製品が完成するまでの工程にも、完成品からは見えない、多くの作業や工夫があります。最終製品として魅力が感じられる製品をつくり、購入していただけることが我々の喜びでもあり目指すところです。

ですが製品に加えて、&FRELというブランドへの共感、信頼、愛着というものを持っていただけるお客様が少しずつ増えていくことはさらなる喜びでもあり、励みにもなります。まだまだスタートしたばかりの&FRELですが、少しずつ時間をかけて、見えない作業を地道にこなしながら、そんなブランドに近づいていきたいと思います。