測る楽しみ

測る楽しみ

こんにちは。&FRELの杉浦です。

マレーシアでの隔離

8月末からマレーシアのコロナ状況拡大もあり日本に2か月ほど滞在していましたが、11月の初めにようやくマレーシアに戻りました。刻々と状況は変わっていますが、今回もマレーシアから日本、日本からマレーシア、それぞれ入国の際に隔離が必要になりました。今回マレーシアへの帰国時は、昨年の14日間ホテル隔離から自宅での7日間隔離に変わりましたので、随分と気楽に隔離期間を過ごすことができました。

少し古い話になりますが、昨年のマレーシアでの隔離を振り返ってみたいと思います。

昨年2020年のマレーシア入国は、14日間のホテル隔離が前提で、ホテルに到着してみるまでどのホテルに滞在するかもわからないという状況でした。振り返れば笑い話ですが、当時はホテルによってサービスや食事のレベルに大きな差があるという情報があふれていたので、いいホテルに当たってほしいと神頼みもしていました。幸いまずまずのホテルに当たり、部屋に入ってほっと胸をなでおろしたことを思い出します。

部屋を測る

次は14日間の過ごし方です。部屋から一歩も出られないのでTVを見たり読書したりして主に過ごすわけですが、私のちょっと特殊な?楽しみ方は「測量」です。とにかく部屋と家具の寸法を図り、ノートに記していくのです。私自身はライトな測量愛好家で、心地よく感じた部屋や空間、気になる家具があった時にのみこの作業をするのですが、これをライフワークというか趣味にしているデザイナーや設計者の方もたくさんおり、本に残している方もいらっしゃいます。

例えば私が好きなのは、建築家の故 宮脇檀(みやわきまゆみ)さんです。住宅設計とそのディテールにこだわり多くの名作を残した宮脇さんは、作家としても実に面白い著書を多数残しています。例えば著書「旅は俗悪がいい」という書籍は旅行記でありながら、宿泊したホテルの部屋や空間を実測したスケッチが多数おさめられており、小気味の良い文章とあいまって、行ったことはなくとも描かれた空間や空気感を自分なりに想像しながら楽しめる素敵な本です。

制約の楽しみ

何故測るのか?という問いに対する答えは人それぞれですし、目的も異なると思います。私の場合はというと、「基準や推奨から外れた心地よさ」を数字で確かめたいという思いからです。

インテリアでも家具でも、基準となる寸法や一般的な推奨値というのは学校でも習いますし、いわゆる参考書的な本も多数あります。ですがそれらの推奨値を忠実に守れば、気持ちの良い空間や居心地のいいスペースができるかというと必ずしもそうではありません。むしろスペース的な制約があるからこそ生まれる、居心地のいい場所や空間はたくさんあります。その居心地のよさ(もしくは悪さ)を、いわゆる推奨値と比べて、これだけの幅しかなくても結構いいなとか、スペースは十分だけどなんか落ち着かないな、といったことを数値と比べていく作業が私の測る楽しみです。ホテルの部屋というのは、そういったアイデアや発見が詰まっている場所でもありますし、その蓄積が次のアイデアにも繋がっていきます。

&FRELのテーブルは自由にサイズをカスタマイズできます。部屋の広さという制約、窓や間取りといった制約、すでに持っている家具や家電とのバランス的な制約、たくさんの制約が部屋にはあると思います。ですがそれらの制約に合わせてテーブルやデスクのサイズをカスタマイズしてあげるだけでも、空間の居心地や使いやすさは大きく変わります。制約を悪者にするのではなく、たまには制約を楽しんで、じっくりとサイズや組み合わせを考えて自分なりの空間をつくってみてはいかがでしょうか?