旧正月のオレンジ
こんにちは。&FRELの杉浦です。
マレーシアの旧正月
こちらマレーシアは旧正月に入りました。旧正月とは太陰暦(中国暦)を基準にした旧暦での1/1日で、華人や華僑の国々の文化やつながりが強い国ではこちらが重視されます。中国や中華系の国はもちろん、韓国やベトナムなでも旧暦が基本となり、日本の正月とは毎年一月ほどずれることになります。
ちなみにマレーシアでは日本の正月となる1月1日は休みとなりますが、仕事は基本12月31日まであり、休みでなければ1月2日から何事もなく仕事が始まります。こちらでのお正月と言えば、この旧正月となります。
旧正月のおくりもの
旧正月が近づくと、日本のお歳暮のようにいろいろとものを送りあう習慣はこちらにもあります。アンパオというおとし玉のようなポチ袋を上げたり、最近はお菓子や食品の詰め合わせを送ったりもしますが、基本はオレンジです。
町にはオレンジを売る屋台が溢れ、会社には大量のオレンジ、それも箱単位のオレンジが毎日のように取引先などから届けられます。誇張ではなく、本当にオレンジの箱が溢れ、会社にはオレンジ置き場がつくられます。
オレンジを送る理由
恥ずかしながら、今まで何故オレンジを送るのかこのブログを書くまで考えたことがありませんでしたので、この機会に調べてみました。
送りものに使われるのはマンダリンオレンジで、”桔子”と書きます。この”桔”の発音が”吉”という縁起のいい言葉に似ていることから、またオレンジの色が「金」に通じることから金運をもたらすとされ、送りあい、交換しあうのだそうです。旧正月中に誰かの家に行くときは、偶数個のオレンジを持っていき、帰り際にまた同じ数のオレンジをもらってくる。オレンジは象徴であって、福を皆で分け合おう、という感じでしょうか。
旧正月前最終日のオレンジ袋
小さいやり取りの中でオレンジを交換し合っている分には素敵なのですが、これがビジネスになるとなかなか大変です。オレンジの箱を見る限り、それほど多くのブランドあるように思えませんので、おそらく同じ種類のオレンジを送りあってそれを輸送するわけですから、またおそらくそれなりに廃棄されてしまうでしょうから、あまりエコではないのでは、、、と思ってしまったりもしますが、文化とエコを絡めるのもそれは野暮なことかもしれません。
私が勤める会社でも、ものすごい量のオレンジが旧正月休みが始まる前までに集まります。もはや個人で消費できる量では到底ありませんので、全社員に(強制的に?)分けて配ります。数が数ですから、その仕分け作業も大変です。味は決して美味しいものではないので(日本のミカンだったらなと毎年思っています)、私はローカル社員に差し上げようとするのですが、彼らは(特に中華系の社員)は会社以外から届くオレンジが家でも待っているので、今まで受け取ってもらえたことはありません。
毎年のオレンジ騒動なのですが、こんな風景ややり取りこそがマレーシアの旧正月を私に感じさせてくれますし、マレーシアから離れればきっと思い出してしまう風景なんだと思います。