「心地」を楽しむ

「心地」を楽しむ

こんにちは。&Frelの杉浦です。

3月に入り、本来であれば乾季に入るマレーシアですが、今年はとても雨が多く寒くかんじる日々が続いていました。先日はクアラルンプール市内も大雨で洪水となり、多くの車が水没してしまうなど、災害の怖さを感じる日々が続いています。

マレーシアの大衆食堂

そんな少し落ち着かない日々ですが、やはり南国独特ののんびりとした風土はかわりません。それを日々の生活の中で一番感じられるのが、マレーシアのいわゆる大衆食堂だと私はいつも思っています。日本では大衆食堂がチェーン店のお店に変わってしまい久しいですが、こちらはどこに行っても食堂だけはすぐに見つかります。山の中にも、工業地帯にも何かしらの食堂があります。

基本的なスタイルはどこでも同じです。おおきなトレイにそれぞれの料理が盛られていて、お客が大皿に勝手に盛っていきます。日本式にいうとホテルの朝食バイキングのようなスタイルです。とった品数や種類に応じて、おおよそ値段は決まっているのですが、取り分ける量によって値段が変わることなく(多分、、、)ものすごい量を盛り付けている方も見かけます。

面白いのは、会計を食べた後に行うお店が多いことです。食べた後の申告制です。性善説にたっているのか、はたまた昔からの慣習なのかよくわかりませんが、良く名前の分からない料理をどう申告すればよいのか?日本人にはつらいところですが、結局たいして困ることなく適当に値段が決まります。

心地がいいということ

そんなアバウトさ満載の食堂で良く私が感じるのは、「心地がいいな」という気持ちです。決して清潔ではなく、料理もとても美味しいものではないし、椅子だって粗末なものを使っているところがほとんどです。

でも「心地いい」と間違いなく感じるのはなんでなのかな?とふと考えを巡らせたりします。「心地いい」という表現はとても範囲が広い表現だと思います。例えば、カッコいい空間、洗練された空間、ミニマルな空間というとおおよそイメージされる印象は決まってきますが、心地よい空間という言葉から得られるイメージは実際に見てみないとどんな心地よさなのかはわかりません。

空間的な心地よさだけでなく、人と物との関係性もありますし、お店などであれば人と人との関係性や距離感も心地よさの要素に入ってきます。人を家に招いたとき、「居心地がいいね」と言われるとそれは空間だけでなく、もっと広い意味で褒められたようで、私は一番の誉め言葉のように感じています。

&FRELは家具屋ですので、家具を通じて心地の良い空間をつくる要素の一つになれることを思い製品づくりをしています。ですがいい家具が無ければ、心地良さが生まれないかと言えば決してそんなことはないと思います。いろいろな心地よさに出会うたびに、心地よいと感じる要素の奥深さや、幅の広さに面白さと驚きを感じて、心地いいって感覚はつくづく素晴らしいなと一人感じています。