タスクチェアの豆知識 その4 体重感知って?

タスクチェアの豆知識 その4 体重感知って?

こんにちは。&FRELの杉浦です。

チェアの豆知識編がすでに4回目になってしまいました。ちょっと長くなりそうですが何とか今回でまとめたいと思いますので、ぜひ最後まで読んでください。

前回はタスクチェアの調整の話から、調整を最小限でできるチェアも増えてきました、というところでまとめさせていただきました。今回はようやく&FRELからも発売しているカリッサ2チェアに絡めてお話しさせていただきたいと思います。

体重感知機能って?

あまり聞きなじみのない言葉だと思いますが、ここ最近発売されるオフィスチェアには体重感知メカニズムという機能を持っている製品が多くあります。呼び方は体重感応、スマートフィットリクライニングなどメーカーによって様々ですが、カリッサ2もこの機能を持ったメカニズムを採用しています。この機能は背の反力を座る人の体重に応じて自動的に一定レンジで調整してくれる機能で、調整が特に難しい背の反力調整の必要がありません。レバーをやノブをぐるぐる回して調整しなくても、おおよそベストな反力で体を受け止めてくれます。

ちなみにこのコラムを書く前に、体重感知に関してWebで調べてみたのですが、意外とその仕組みをわかりやすく書かれている記事は見当たりませんでした。ということで体重感知に関して一番わかりやすい記事をめざして説明していきたいと思います。

体重感知というと、なんだかたいそうな機器やセンサーでも入っていそうな響きですが、まったくそんなことはありません。むしろ非常にアナログなメカ機構を基に設計されています。もちろん設計の完成度によって座り心地も変わってきますが、基本的な原理は単純です。

まず初めに遊具のシーソーを思い浮かべて下さい。自分と相手の重量によってスピードや押す力が変わり、両側の力が等しいと釣り合います。ただしシーソーの形状だと二人以上の力が必要ですので、このままではチェアに応用できません。ではどうするかというと、シーソーを下記のイメージのようにL字に曲げてしまいます。少しチェアの形状に近づいてきた気がしますね。

自分の体重を持ち上げる

さてここで頭の中でL字のシーソーをチェアの背座として思い浮かべてみてください。まず座ります。次に背に持たれます。L字のシーソーは背と座が構造的に繋がっています。座部も背の傾きに連動して上側に少し上がりますので、背を倒すためには自分の体重を持ち上げるだけの力を背に加えないといけません。軽い人はより少ない力で、重い人はより大きな力で背を押さないと体は持ち上がりません。

うまくイメージしていただけましたでしょうか?これがおおまかな体重感知の仕組みです。意外と単純ですよね。私はよく一人シーソーという表現をします。

体重感知のいいところは、座の高さを合わせるだけでチェアの主要な調整がおおよそ理想的に完了することです。複数の人が使う場合や、細かく調整するのはちょっと苦手という方にはぴったりのチェアと言えます。自分の目的に合っていると感じた方は、ぜひカリッサ2をはじめ、体重感知というキーワードで選んでみることをお勧めします。

長く座ることと健康

ここまでチェアの座り心地や快適性について書いてきましたが、、、最後に少し逆説的な話で終わりたいと思います。

ずっと座りっぱなしで仕事や作業をすることは、健康という観点からするとあまりよくないことは様々な研究からすでに明らかになっています。体重感知チェアが増えてきたことは、調整をしなくていいというメリットももちろんあるのですが、そもそもチェア自身の快適性を突き詰めるよりも、時に立ち上がってストレッチをしたり、少し歩いてみたりしたほうが体への負担や疲労を軽減する効果が高いという考えに基づきます。

かつてはどれだけ多くそして細かく調整できるかが、チェア性能評価の大きなポイントだったこともあります。オフィスにおいてチェアの役割は仕事をするための座具としての位置づけが最も大きいですが、一方で限られたスペースの中で休息をとる為、時に休み時間に睡眠をとったりするための支持具の役割を担っています。デスクに向かう姿勢だけではなく、いかに快適にリクライニングさせて休息できるか?という部分も少なからず担っています。よくリクライニングを最大に倒してリラックスする姿がカタログにも使われたりしますが、実際はほとんどの時間を直立してデスクに向き合うというのが現実でしょう。

在宅勤務やフレキシブルな働き方が許容される時代においては、わざわざチェアで休息するよりもベッドで少し仮眠したり、散歩をして気分転換したほうが効果的に休息をとれると言えます。&FRELのサイトを訪れてくれて、このコラムを見ていただいているみなさんはおそらくご自宅用に家具の購入を検討されている方が多いと思います。例えば在宅勤務用という場合でも、チェアの品質や座り心地はもちろんとても大切です。多少高くともしっかりとした品質と機能を持った製品のご購入を強くお勧めします。ですが、快適に在宅で仕事をするための要素はチェアだけで獲得できるわけではありません。先に述べたような休息や気分転換の仕方もそうですし、家の中のグリーンやインテリア、ITツールやステーショナリーグッズも快適に過ごすための要素にしっかりと入ってくるでしょう。

私自身、快適に過ごす、仕事をするために何をしたら良いか?と日々考えることはとても良いことだと思っています。ちょっと面倒くさかったり、お金も少なからずかかりますが、やはり自分の身の回りの環境を整えていく、改善していく事は時に楽しく、気持ちのいいものです。

&FRELでも皆さんの周りに少しでも心地よさを提供できるような家具をこれからもつくっていきますので引き続きよろしくお願いします。すこし支離滅裂な終わり方になってしまいましたが、タスクチェアに関してはこれで終わりとしたいと思います。おつきあいありがとうございました。