オープンシェルフの特徴と使用例
皆さん、こんにちは。&Frelの杉浦です。
先日TSオープンシェルフの発売を開始したことをお知らせさせていただきました。作り手としては販売開始がひとつの区切りとなりますが、やはりそれをいかにしてご使用いただくか?ということを上手く伝えることもデザインや設計以上に大事なことだと考えています。
ということで今回オープンシェルフの発売に合わせて、オープン型の家具を上手く活用するためのポイントについて話してきたいと思います。
オープンシェルフの家具としての特徴
イスやテーブル、本棚やコートハンガーなど、多くの家具は初めからその使用用途がおおよそ決まっています。購入してからイスをどんな使い方で使おうか?と考えることはふつうありませんよね。一方オープンシェルフは用途がもともと決まっていない、数少ない家具の一つになります。よくいえばフレキシブルで自由な家具ですが、その用途や使い方については事前に良くスタディーする必要があります。
まずオープンシェルフを多くのものを収納するための収納棚として考えしまうと、その収納力や使い勝手が思っていたものと違う、、、と感じてしまうことがあるかもしれません。
TSオープンシェルフには背板や側板がついていません。もし本をたくさん収納しようとする場合、横にも後にも支えとなる壁がありませんので、平置きするもしくは別途ブックスタンドなどを用意する必要があります。収納力だけで見ればボックス型の本棚の方が圧倒的に優れていると言えますので、その場合は収納力を優先した家具を購入するべきかと思います。
オープンシェルフの理想的な使い方
オープンシェルフの家具としての最大の魅力を、私自身は「抜け感」と感じています。本棚やクロゼットなど多くの収納家具は、空間に新たな「壁」をつくってしまいます。部屋のどこに設置しようとも、それらの収納は大きな物体として、また壁として存在し、その後ろにあるものを隠してしまいます。
一方オープンシェルフは物体としての存在感は大きくとも、必ず視線が背後に抜けるスペースが家具に残ります。壁際に設置しても重くならず、部屋の中央付近においても、空間を壁のように分断することはありません。その特徴を上手く利用して配置場所を考えることによって、少し特徴のある空間をつくることができます。
いくつか実例を見ていきましょう。
一つ目はユニットシェルフでおなじみのUSMの実例です。
半オープンのシェルフを別途に隣接して設置しています。室内で大きな存在感になっていますが、前後に抜けているので空間をはっきりと分断はしていません。植物を合わせることでさらに柔らかな印象となり、とても心地よさそうな空間になっています。
二つ目は日本でも最近よく見かけるようになってきたデンマーク発ブランドMuutoのシステムシェルフです。
サイト内のシーン写真はいずれも壁際での使用されていますが、こちらも適度な「抜け」があるおかげで、壁を覆い隠すような重い印象や圧迫感もありません。
どちらもポイントはあまり詰め込み過ぎて、「抜け」を塞いでしまわないところにあるかと思います。
うまく見せるために、少しセンスが求められるオープンシェルフですが、自分なりの見せ方やアイデアでインテリアを楽しむことのできる家具の一つです。
&FrelからもTSオープンシェルフを使った様々なシーンをこれから発信していきたいと思います。